筋肉は異常収縮して起こる足のつりは激しい痛みと痙攣が起こります。寝ているときや寝起き、運動中などに足がつるとしばらくは痛みで動くことができなくなってしまいます。筋肉の疲労や筋力の低下、冷えやイオンバランスなどが影響しているのが足のつりですが、あの酷い痛みを少しでも早く和らげることができればと思う人も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは足のつりの痛みを緩和することができるツボを12個紹介します。ベッドの中でも簡単に取り入れることができるので、痛みを感じたらすぐに対処することができるように覚えておくと便利です。
●ツボ押しの手順
足がつったときはなかなか落ち着いてすぐに対処するのは難しいものですが、まずは落ち着いて息を吐きながら痛みを感じる部分を手でさすりましょう。
落ち着いてきたらツボを押し、その後に筋肉を伸ばすストレッチをすることで、足のつりの痛みを長引かせることなく改善することができます。
●足にあるツボ10個
足のつりの痛みを緩和する際に押すことで痛みを緩和することができる足にあるツボは10個です。
○承筋(しょうきん)
主にふくらはぎがつったときに承筋というツボを押します。
承筋は筋肉を受ける場所という意味を持つツボであり、ふくらはぎの縦の中心線上のふくらはぎの筋肉が一番膨らんでいるところにあります。
承筋を押すときは親指の腹を使って、軽く痛みを感じる程度のちからで3回から5回程度10秒ずつ押していきましょう。
○承山(しょうざん)
ふくらはぎの中心線上の盛り上がっている部分の下の端にあるのが承山です。
アキレス腱を上に辿っていくとふくらはぎの筋肉に当たる部分でもあります。盛り上がった山を受けるという意味を持ち、承筋と同じように指の腹を使って軽い痛みを感じる程度の力でひと押し10秒を3回から5回程度繰り返します。椅子に座っている場合は足を組んで膝で押すのも効果的です。
○足三里(あしさんり)
すねがつった場合に効果的なのが足三里です。膝のお皿の外側の骨のでっぱりがある部分から、親指の幅3本分ほどの下がったところにあります。足三里の三は三寸という距離を里は道のりを表しています。すねの筋肉を下からゆっくりと擦り上げていくとくぼみで指が止まるので、この方法でも見つけることができます。
足三里を押すときは親指の腹でひと押し10秒を3回~5回ほど繰り返しましょう。
○条口(じょうこう)
条は狭く長い、口はすねが細長い口の形に見えるという意味から名前がついているのが条口です。椅子に座った状態で足首を上に曲げたときに盛り上がっている、すねの筋肉の真ん中のあたりにあります。条口を押すときは足を外側から両手で包むようにして持って、親指の腹でひと押し10秒を3回から5回程度押しましょう。
○三陰交(さんいんこう)
冷えを解消するのが三陰交というツボです。三陰交は内側のくるぶしの頂点から指の幅4本分上がったところにあります。骨と筋肉の境目あたりです。三陰交を押すときは、ゆっくりと息を吐きながら静かに押し、息を吸いながら指を離しましょう。回数の目安は3回程度です。押すときのちからは控えめにするのがポイントです。
○陰陵泉(いんりょうせん)
足の痛みや冷えなどに効果があるのが陰陵泉です。椅子に座るなどして膝を建てた状態で足の内側を触りながら骨に沿って上に進むと自然と手が止まる位置にあります。血行を促進する効果もあり、代謝アップなどにも効果があります。陰陵泉を押すときは膝を軽く曲げて、膝からすねを掴むようにしながら親指の腹をツボに当てて膝の外側に向けて押していきましょう。
○崑崙(こんろん)
崑崙は足首にあるツボです。外側のくるぶしの後ろ側のくぼみにあり、両足にあります。崑崙を押すときは親指の腹で優しく押しましょう。2、3秒押して離す押し方で3分から5分ほど繰り返します。崑崙には冷えを改善して血流を良くする効果があります。
○委中(いちゅう)
疲れたふくらはぎの筋肉の緊張を軽減させる効果があるのが委中というツボです。委中は膝の後ろにある中央のくぼみの部分にあります。委中を押すときは椅子などに座った状態で両手で膝を抱えて、両手の親指を揃えて押します。3秒間押して3秒間離してという押し方を何度か繰り返します。
○湧泉(ゆうせん)
足の指がつったときにおすすめするのが湧泉というツボです。湧泉は足の指を曲げたときに足の裏にできるくぼみの部分にあります。足の疲労や足の冷えを改善するツボでもあります。湧泉を押すときは親指の腹でひと押し10秒を3回から5回程度繰り返しましょう。やや強めに押し込むのがポイントです。
○太谿(たいけい)
足のつりや冷えなど足の症状に効果のあるツボです。くるぶしの内側の後ろの下にあります。太谿を押すときは親指を太谿に当てて、親指と人差し指でアキレス腱を挟むようにしてもむように押していきます。
○足のつりに効くツボは腰にもある
足のつりを改善するツボは足にあることが多いですが、腰にも足のつりに効くツボが2つ存在します。それが小腸兪(しょうちょうゆ)と膀胱兪(ぼうこうゆ)です。
小腸兪は骨盤の後壁を構成している脊柱の下の部分に位置する仙骨の1番上にある骨のくぼみの横、背骨から指の幅2本分外側にあります。
膀胱兪は仙骨の上から2番目の骨のくぼみの横、背骨から指の幅2本分外側にあります。
どちらも足へ続く神経の通り道になっているツボで、足のつりは神経の伝達異常も原因の一つとなっているので、小腸兪や膀胱兪を押すことで足のつりを改善することができます。
●まとめ
足のつりに効くツボは足や腰などに複数あります。すべて覚えるのは大変なので、いくつか覚えてとっさの痛みに対処できるようにしましょう。特に承筋や承山、足三里などがおすすめです。